1970年代オリジナル開発による変革の時代

日本経済が急成長する激動の時代であった1970年代は、第一次オイルショックによる物価、地価の高騰など、私たちの暮らしにも大きな影を落としました。その影響は、私たちのガラスのものづくりにも及び、それまでの下請け生産とは異なる、自分たちで考え製品化していく、現在のSghrの基盤となるオリジナル開発に舵をきることとなります。
当時流行したコーヒーゼリー専用の器「#300」の大ヒットは、お客様からの反響を職人が直に知るきっかけとなり、他にも型や技術の工夫が詰まった製品が多く生み出されました。

Pickup Series

ガルフ
グラスの側面に特徴的な凹みのあるガルフは、吹き型の形状を工夫した画期的な技術を用いて製造をしています。同業他社さんにも、作り方が分からないと言われるほどで、Sghr の技術開発力を象徴する製品です。しかし、長年製造をしてきましたがあまりに難易度が高く、熟練した職人であっても品質基準をクリアする個体を作ることが容易ではないため、アーカイブ製品となりました。希少性の高いグラスになります。
シャトー
イタリアのピサの斜塔から着想を得てデザインされた製品です。斜めに傾いたグラスを作る技術は、当時画期的でした。70年代は自社デザインの製品を発表し始めた時代ですが、それ以前の下請けでものづくりを行なっていた時代から、職人を中心に技術開発を積み重ねてきた結果が形となった製品です。
エリプス
グラスの形状が楕円であることと、エクボのように凹みがあるのが特徴のグラスです。楕円なので型に入れて回して吹くことができないので、縦吹きで吹き込みだけで作る技法がこのエリプスから始まりました。当時は技術革新がそのまま新製品の形となりました。2015年に休止品となるまで、50年近く製造を続けていました。

1970年代